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　【第三話　職場】
　
　最近私は、以下の夢を見た。
　あるオフィスの中、あまり見慣れない場所なのだが、どうやら自分の職場のデスクのあるフロアに戻ってきた。
　十数基のスチール机が寄せ集まった場所が自分仕事場なのだが、どうしたわけか自分の座る机も椅子もない。そしてまわりの人たちは皆忙しそうに仕事をしているが、見たことがないような人々ばかりだ。
　あまり見たことのない人たちだから、自分の机がないことをどうしてないのかなかなか聞きそびれている。そこで思い浮かんだのは、もしかしたら会社が私をのけ者にしようとすでに机や椅子を取り外したのではないかと想像した。
　それならそれで取り外した理由を聞かなければならないと別の人たちがいる方へ行くと、ようやく知った人に出会った。
　その人に私の机や椅子がない理由を尋ねると、その人はいろいろ言い訳はするがなかなか要領を得ない。どうやら本当の理由を知っているらしいのだが、それはその人の口からはいいずらい話のようだ。
　私は、もうこの職場には、いる場所がないという不安な気持ちが胸いっぱいに広がった。

　夢はここまでである。
　仕事を離れてもう１５年経つが、いまだに仕事の夢を見る。一つは必至で営業をやっている夢。もう一つは人間関係でいろいろ悩んだ夢である。一度も楽しい職場の夢を見たことがない。

　【第一話　ボクシング】 　　【第二話　トランプ】

（完）

平成　３０年　６月　１日　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　DOKKOU著