【米を買う】

　最近、長い夢を見ることがなかった。また見たとしても目が覚めて少し経つとすぐ忘れてしまうことが多かった。ようやく記憶に残る長い夢を見た。

　自分で乗ったことのないような結構な高級車で郊外を走り（私は現在免許を返上しているのだが）、露店で売っている米屋に来た。
　山盛りに盛ったいくつもの米の山が並んでいる。そのうちの一つの銘柄を店の主人に注文して、米を袋に入れてもらう。

　そして財布から金をとりだそうとするのだが、財布に１万１千円あったはずが札がない。絶対に入っていたはずだと何度も探すがない。それでは米は買えないから困っていると、店の主人が代金は後でもいいと言ってくれる。そこで家に帰りすぐに金を持ってくると言って、車に米を載せ家にとりに行くことにする。
　ところが車を走らせてしばらくすると、自宅方面に向かっているはずだが、道がわからなくなる。

　幸いなことに電車の駅があるので、車を降りて駅から電車で帰宅することにする。切符を買ってホームに出ると、遊園地の電車のような小さな列車が待っていた。車体が緑で客は誰もいない。列車が走りだして少し行って次の駅に着く。これでは自宅へは還れないとすぐに列車から降り、また車に乗って自宅へ向かう。
　なかなか自宅への道がわからないまま目が覚めた。

　夢は案外長かったのだが、今の自分の生活に何の関係もない夢だった。

【続夢一夜　池袋一丁目線】

（完）
令和　６年　２月　１日　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　DOKKOU著