今年も、はや年末である。
　時は確実に流れているのだが、普段時の流れなどあまり意識していない。
　それでも、時の流れは確実に過ぎて行く。それをご近所の状況などで振り返ってみれば、時の流れがいかにすさまじいことによくわかる。

　私が、横浜の今現在のところ引っ越してきたのが１９８５年（昭和６０）で、現在２０２３年（令和５）だから、かれこれ３８年経つ。
　その間、ご近所のご夫婦はどれほど今日健在か見てみれば、あまりにも変化が激しい。

　私の家は、７０戸ほどの住宅街の中ほどにある。これから申し上げるのはその中のごく近隣の家の夫婦の所在である。
　まず玄関から見て右隣の家では、ご主人が亡くなってもうかれこれ１０年ほど経つ。
　次に左隣の家のご夫婦は健在だが、家は子供に譲り、自分たちは近くの子供が住んでいたマンションに引っ越した。
　その隣の家は、ご主人が亡くなり、その後奥さんはその家を売り、いまは別の家族が住んでいる。
　さらにその隣の家は、私たちが住み始めて１０年ほどで、家を売って他へ引っ越していった。
　今度は道を隔てた反対側の、斜め向かいの家は５年ほど前にご主人とその母であるおばあちゃんが立て続けになくなった。
　そしてその隣の家も７年ほど前に、ご主人がなくなった。
　それから道を隔てた私の家の向かいのご主人も５年ほど前に亡くなり、奥さんは施設に入り、家は息子夫婦が住んでいる。
　そしてその隣の家もご主人が亡くなり、奥さんは施設に入居し、その家は福祉施設に貸し出している。

　今取り上げた家は、私の家も含めたごく近隣９軒の家の３８年間の変遷である。私が今の家に引っ越してきたのは私が４３歳の時、それで現在私も妻も８１歳、いつ死んでもおかしくない年齢である。
　時は確実に流れて行くのである。

（完）
令和　５年１２月　１日　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　DOKKOU著