はじめに、今回のオリンピックは、国民の６割が中止せざるを得ないという異常な状態の中強行されたことを念頭においておく必要がある。正直、私も中止もやむないと思いつつ開会式を迎えたというところであった。

　そしてオリンピックは実行され、メダル数は以下の通り。（ベストテン）
　　

順位	国名	金メダル	銀メダル	銅メダル	合計
1	米国	39	41	33	113
2	中国	38	32	18	88
3	日本	27	14	17	58
4	英国	22	21	22	65
5	ROC	20	28	23	71
6	豪州	17	7	22	46
7	オランダ	10	12	14	36
8	フランス	10	12	11	33
9	ドイツ	10	11	16	37
10	イタリア	10	10	20	40

　◎メダルと報奨金
　このメダル数を見て、日本は大活躍したといえるだろう。自国開催ということで国も相当力を入れ、選手たちはそれに応えた。
　ところで、メダル獲得選手には日本オリンピック委員会から賞金が出る。金メダル＝５００万円、銀メダル＝２００万円、銅メダル＝１００万円だという。この金額が高いか安いか受け取り方次第だろう。メダル獲得者の中には大きく人生が変わる人もいるであろう。なにせ多くのアスリートにとっては、一生に一度のチャンスだったろうから。韓国では銅メダル以上を取ったら兵役免除という褒賞があるという。
　日本の選手の中にフェンシングの見延和靖という選手がいるが、みごと男子エペで金メダルを獲得した。上記褒賞金５００万円以外に、所属企業から１億円が出たという。

　◎世界への映像放映
　それにしても今回のオリンピックは異例尽くしであった。まずコロナで大会が開かれるのかどうかさえはっきりしてなかった。とにかくアンケートで国民の６割がやめたほうがいいと言っていた。
　それでもやるといった菅首相や大会関係者も、最後はほとんど無観客にして大会を実行した。選手にはあまりに気の毒だと思ったが、テレビで見ていて、これが世界へ発信されていると思うと、いったい世界の人はどのような受け止め方をしたのだろうかと気になって仕方がなかった。今までのオリンピックとはまるで違う映像だから。

　◎一番印象に残った選手
　私が今回のオリンピックで一番印象に残った選手は、柔道男子７３キロ級大野将平選手で金メダルを獲得た。１回戦から決勝まで圧倒的な強さで他を寄せ付けなかった。そして勝っても畳の上では大きな喜びさえ示さなかった。むしろ勝って当たり前といった感じであった。優勝後のインタビューで、「勝ったのはうれしいが、負けた相手のことを思うと敗者の前で大げさな喜びを示すのは相手に対して失礼だ」と。これぞ武士道精神、勝ったらうれしいのはわかるが、それから先相手への思いやりを持てるような選手は、勝ちを突き抜けているのだから、これから先も期待が十分持てると思えた。

　◎野球侍ジャパン
　私は野球が好きだから、侍ジャパンの試合はほとんど見た。日本は悲願の金メダルとして、１ヶ月のプロ野球も中断して、ドリームチームを作って最善の努力をした。かなり厳しい試合もあったが、何とか全勝で金メダルを獲得した。ついに念願がかなった。しかしケチをつけるつもりではないが、その国のプロの最高水準の選手を集めて懸命に金メダルを狙った国は、日本と韓国ぐらいだという。現にアメリカのメジャーリーグの選手は1人も出ていない。一体金メダルの価値はどれほどのものかと考えさせられてしまう。次回のパリ大会にはもう野球もソフトボールもない。野球もソフトボールも世界的にはあまり人気のあるスポーツではないということだから、何となく金メダルがシラケて来る。ついでにアメリカが見る日本や韓国のプロ野球の実力は、日本がメジャーリーグと３Àとの間、韓国が３Àと２Àの間とみているようだ。結局、今度のオリンピックもアメリカからバリバリのメジャーリーガーは来てなく、その勝敗は日本が金、アメリカが銀、韓国が４位と実力通りとなった。

　◎韓国のこと
　今回のオリンピックにおいて韓国の日本に対する態度がいささか気になった。競技の始まる前から日本にイチャモンをつけてきた。一番初めに日本地図に竹島が載っているから問題だ。オリンピックをボイコットしようと来る前から騒ぎ立てていた。この問題が起きたとき私はぜひボイコットしたらどうだと思ったが、結局只のイチャモンで選手はやってきた。そして次に選手村に入るや反日横断幕を掲げ、政治的意図ありとしてそれをやめさせられた。さらに放射能フリー弁当なるものを作って嫌がらせをしている。また、野球日韓戦では、アンパイアにストライクアウトで文句を言ったり、投手がつけるロージンが宙に舞って投球が見にくいとか、１塁でのアウトセーフにクレームをつけたりとあまりに見づらい場面が多々あった。そういうクレームをつけても勝ちたいのだろうけど。ネットでも韓国とは次には対戦したくないと寄せてきた記事が幾つもあった。

　◎パラリンピック
　パラリンピックは８/２4～９/５までとなっている。パラリンピックがオリンピックと同等に扱われるのは、いろいろ問題はあろうがオリンピックと同時開催にするのがベストだと思う。本当は日本開催でそれができれば最高だったが、いつかそのようなオリンピック・パラリンピックを期待したい。

　まだいろいろ印象に残ったことはあるが、まずは大会が開催されるかどうかというところからここまでこぎ着けた、選手・コーチ・政治家・ボランティアなど多数の大会関係者の努力に敬意を表したい。

（完）

令和　３年　９月　１日　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　DOKKOU著