私は、毎日午後４時に、雨の日以外いくら暑かろうが１時間半ほどの散歩に出かける。散歩に行く最大の理由は、その日の晩酌がうまいからである。
　ところが今年この散歩にいささか障害が起きた。ご存じ新型コロナウイルスが悪さをして、人に行動に制限が出てきていることだ。　やむなく人々は仕事を自宅でするようになったり、旅行を控えたり、多くの人が集まらないようにしたり、夜の街に出かけるのをやめたりと、極力人との接触を減少させている。

　それでも接触をしなければならない場合できるだけ人との距離をとるようにし、マスクをしてお互い会話の飛沫を避ける努力もしている。
　今や街中では、歩行者の７～８割の人たちがこの暑いのにマスクをして歩いている。

　ところが私は、どうしてもこれが理にかなっていない思うのだ。もちろん行列ができる場所や駅周辺の人の密集地は別だが、たいして人のいない場所の歩行では、人と会話をすることもなくほとんど密になることはない。それでもマスクが必要かと思う。

　コロナが始まった４～５月ごろまで、私もマスクを着けて散歩をしていたが、どうしても暑いし邪魔だ。
　それでマスクをしない１案を巡らせた。それはマスクを胸のポケットに入れて半分だけ外に出す。これですれ違う人は、あいつはマスクも用意しない不埒な奴だとは思わないであろう。そう考えてそれを実行してみた。いささか後ろめたい思いがないわけではないが、マスクをしないから気分は上々、それ以降人込みを避けられるところでは、まったくマスクをしない。

　自粛警察のような人々にしてみればそれは納得がいかないかもしれない、そんな思いもわからないわけではないが、私は今そうしている。もし賛同される方があればぜひ実行してみてはいかが。

令和　２年　９月　１日　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　DOKKOU著