昨年１２月、地球温暖化対策を話し合う国連の会議「COP２５」で、ブラジルと共に見事「化石賞」を受賞した。
　国際的な環境NGOのグループが、温暖化対策に消極的だと判断した国や地域に、皮肉をこめて「化石賞」を贈ったのである。
　贈った理由は、二酸化炭素を排出する石炭火力発電所の建設計画が現在も１０基以上ある。そのうえ、途上国へ石炭火力発電所の輸出を行っていることで、国際的な批判を受けている。
　これに対して会議で発言した小泉大臣は「驚きはない。受賞理由を聞いて私が演説で発信した効果だと思った。的確に国際社会に発信できていると思う」と話したという。

　国内の調整があまりうまくいかないで上記の発言になったというが、実に歯切れが悪い。もう少し環境大臣としてリーダーシップのある発言を期待したかった。
　なにせ若手のホープどころか、近い将来総理大臣第１候補などといわれるところまで来ているのだから。
　それを経済成長に配慮しての発言だろうが、世界はそれを許さなくなってきている。もう、石炭石油に頼ってはいけないのだ。
　もし日本経済が鈍化しても、石炭石油の発電をやめたために起きた経済鈍化の数値を国民に示せば、国民も必ずやそれを理解してくれるはず。それぐらいの覚悟の発言を期待していたのだ。
　
　もう地球温暖化対策は待ったなし。それをわかっていながらの歯切れの悪い発言では、小泉大臣の将来はあまり期待できない。
　　

（完）

令和　２年　２月　１日　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　DOKKOU著