今年に入ってからも安倍首相はロシアプーチン大統領と２０数回目の会談をを行った。主な会談目的は、北方領土の返還交渉だという。
　安倍首相は、７０年間全然前に進まない領土交渉を自分が前に進めて、次代に問題を残さないようにするという。

　それは大変結構な話だし、安倍首相の話し方には言外に自信がありそうな言いぶりでもある。
　しかし、ロシアの返還に対する強硬な姿勢は変わらない。いや、プーチン大統領は別にしてラブロフ外相他国まで、ますます頑なになっているようにも見える。クリミアを一方的に自国領土にしてしまう国だから、そう簡単に返還などしそうもない。

　今の段階でもし返還が実現するとすれば、最大限歯舞色丹諸島の返還が限界であろう。そしてその時の条件として、国後島・択捉島は永久にロシア領と確約させ、なおかつ最大限の経済協力を要求されてだ。
　それが仮に実現されても北方４島の７％だという。いったい日本国民はそれで納得できるのか。私などもボーっと４島まるまる返還が絶対条件だ思って来たが、一連の話からそれはかなり厳しいだろう思うようになってきた。

　ここで４島の面積と割合をざっと見てみる。

歯舞群島	９７．７ Ｋ㎡	２％
色丹島	２４８．９Ｋ㎡	５％
国後島	１４８９．９Ｋ㎡	３０％
択捉島	３１６６．６Ｋ㎡	６３％
合計	５００３．１Ｋ㎡	１００％

　安倍首相にどれだけの勝算があるのか分からないが、またプーチン大統領がどれだけ国民を説得できるのか分からないが、お互い引き分けの精神というなら、この表から見てやはり領土折半がまず見えてくる。
　すなわち日本は国後島までの３島と択捉島の一部で線引き、そこから先の択捉島はロシア領というのが案として浮かぶ。
　それもどうしても厳しいとなれば、国後までの３島であえて妥協し、そこで国境線を引く。もし、歯舞島・色丹島で線引きするなら返還の意味はない。それは絶対反対だ！それが私の最低条件だ。もし返還領土にアメリカの基地を置く心配ありというなら、それは絶対しないと一札入れてもいいと思う。
　　　　

（完）

令和　元年　５月　１日　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　DOKKOU著