韓国は、日韓の軍事情報包括保護協定＝ＧＳＯＭＩＡを、８月２３日突然破棄を日本に通告してきた。日本にとってはまさかのまさかだったようだが、それから協定終了日の１１月２３日まで、日本のマスコミも連日の報道でいろいろ言われてきた。そして１１月２３日午後６時、韓国政府は破棄の撤回を発表して、この問題の当面のケリが付いたのはご承知の通り。

　この間マスコミから有識者やアナリストたちがいろいろ解説したり意見を述べあったりしてたのを私なりに聞いていて、それなりに面白かったので以下私の感想を述べてみたいと思う。

　韓国政府ＧＳＯＭＩＡ破棄決定より３週間前の８月２日、日本政府は、貿易管理上の優遇措置を受けられる「ホワイト国」のリストから、韓国を除外する政令改正を閣議決定した。そして一部大臣からの徴用工問題に対する対抗処置だといったことに韓国政府が猛反発し、ＧＳＯＭＩＡ破棄を発表したという図式である。
　プライドの高い韓国は、その後ＧＳＯＭＩＡ破棄の理由を、ホワイト国の信頼もされないでＧＳＯＭＩＡの続行は不可能だと事あるごとにいって来た。なにせ韓国は日本を見下し、長い歴史の中で日本にいろいろ教えてきたのは朝鮮であって日本から教えられたことはないという潜在意識がある。
　現に、ＧＳＯＭＩＡ破棄を世論調査した結果５１％が破棄賛成であり、反対は２０数％である。とにかく反日教育のせいも含めて韓国民の多数はことあるごとに反日である。
　そこへもってきての進歩派文在寅大統領は、知ってのごとくあからさまに日本にかみついてきた。そして北との民族統一を第一に考えているようだが、私に言わせれば、それはそう簡単なことではないと端からそう思っている。なぜなら、文在寅大統領は韓国が北朝鮮よりはるかに経済力が高いから、何はともあれ統一すれば自動的に韓国が主導権を握れるとは簡単に思ってなくとも、すくなくても北朝鮮に牛耳られることはないだろうと考えているのではないか。
　しかし北朝鮮金正恩はそんな人間ではない。第一韓国に主導権を握られれば、そのうち自分の命が危ないと考えているはずだ。絶対に主導権を握らすはずがない。韓国文在寅大統領が金正恩の家来になるしか統一の道はないのである。文在寅大統領が統一統一というたびに、家来になっても統一したいと思っているのではないかと思えて仕方がない。
　ところで１１月２３日午後６時期限切れ土壇場で破棄撤回を発表したのは、日本に屈したのではなく米国に脅かされてやむを得ず撤回したのである。これを一部の日本外交高官が、これは日本外交の勝利だと声高に言っているようだが、確かにその通りだとしてもだからといってその勝利を満足げにいうことははばかるべきだ。ましてやプライドを傷つけられて、やむなくいつでも破棄する用意があると苦し紛れのやせ我慢している相手である。ただしこれで簡単にその後破棄に向かえば米国がどんな態度にであるか目に見えるようだ。

　これでＧＳＯＭＩＡは当面続行されるであろうが、韓国の恨みは残った。米国が一番ＧＳＯＭＩＡ続行を韓国に説得したにもかかわらず、きっと恨みは日本に向けられるであろう。そのことをよく承知しておかなければならない。

（完）

令和　元年１２月　１日　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　DOKKOU著