久しぶりにまた振込めサギがやってきた。
　前回この雑記帳の《（339）振込めサギだ！》で記したのが２年前、それからサギ陣も進化してだいぶ複雑な手を使ってくるようになった。以下にそれを記載して、読者の参考になればと思う。

　それは妻に一枚のハガキが来たことから始まる。ハガキの内容を以下に記す。

ー民事訴訟最終通告書　事件番号　　（民）　そ８８０

　　本通達は貴殿に対し、契約中若しくは債権譲渡のあった企業または団体より、総合消費料金の不払いによる契約不履行の訴状が提出されたことを当該債務者たる貴殿に通達し、本通達の後、訴訟取り下げ最終日を経て貴殿を被告とした民事裁判が開始されることを通告するものです。
　本通達に対しこのままご連絡なき場合、原告側の主張が全面的に受理され、裁判所の許可を受けた執行官立会いのもと、現預金、有価証券、動産及び不動産の差し押さえを強制的に執行させていただきます。
　また本件は民事訴訟に関する通達である為、民事訴訟法の適用により個人情報の保護や守秘義務が発生いたしますので、本件に関するご相談、取り下げ等のお問い合わせはご本人様からご連絡を頂きますようお願い申し上げます。
　
　訴訟取り下げ最終期日　令和元年　５月２３日

　民事紛争相談センター　お問い合わせ相談窓口　　０３－６４１７－１０９４
　（以下略）ー

　この通知が来たのが５月２１日である。
　そしてポストから引き出し、初めに文面を見たのは私で、最初は何を言っているのか意味がつかめなかったし、２度３度読み返しても話のつじつまが合わない。それをあえて相手の文面の要点をまとめるとすれば、どうやら総合消費料金とやらの不払いによる民事訴訟が開始されるという。しかし下記の期日までに連絡がない場合は自動的に財産の差し押さえをするという。民事訴訟通告からわずか２日の内にというところで、ハガキの受取人を慌てさせる段取りのようだ。

　これを読んだ私は、総合消費料金とは何ぞや、というのが初めの疑問だったが、万がいち妻が誰かに自分の名前を貸して、それが契約不履行になったとしたらとも考えた。
　不可解な文書ではあるが、とりあえず妻が帰宅したらこれを見せて確認を取ろうと考えた。
　妻帰宅後これを読んで、「まったく覚えがない、即ちこれは振り込めサギだ！すぐに警察に電話する」といって最寄りの警察署に電話し、はじめの「民事訴訟最終通告書～云々」と読み上げ始めたら、即座に「それは今かなり出回っている振込めサギです」という警察の返事であった。

　前回の振り込めサギは息子を装い電話で振り込ます要領だったが、今回はだいぶ手が込んできた。テレビでもたびたび気を付けるようにと注意を促しているのだが、それでも騙される人は後を絶たないようだ。前回の時にもいったが、費用対効果が割に合うから振込めサギがなくならないのだ。もっと罪を重くしてこれは割に合わないと認識させる必要があると思うがどうであろう。
　

（完）

令和　元年１０月　１日　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　DOKKOU著